先日、5歳の息子が、5歳児検診の流れで、田中ビネー式知能検査Vを受けました。
- 田中ビネーではどんなことがわかるの?
- 田中ビネーの結果は何に使うの?
- 別の知能検査WISCとは何が違うの?
受ける前は、疑問だらけでしたが、終わってみて「こういう感じなんだな」と色々と分かったことをご紹介します。
なお、私は多動傾向がある息子を持つ母親で、こちらの内容は、個人的な体験談となります。
すべてのケースや自治体で、当てはまらないこともありますので、「そういうケースもあるのか」とご参考としてお読みください。
田中ビネー式をなぜ受けたか
5歳児健診を5歳の時に病院で受け、その後に同じ病院で紹介されて受けました。
5歳児健診から田中ビネーを受けた流れ
小学校入学の準備にあたり、普通学級でいいか、支援が必要かを考える材料として、年長のときに、5歳児検診を受付している病院に申込しました。
先生の判断では、「普通の5歳がスムーズにできること(先生が指示したこと)が、ちょっとできないこともあるみたいだね」となり、知能検査を受けてみますか?と言われてお願いしました。
そのときに、親には知能検査の選択(どちらにしますか?)はなく、病院が決めたものが、田中ビネー式知能検査Vでした。
田中ビネーと、WISC(ウィスク)の違い
とても簡潔に言うと、
- 田中ビネー … 年齢ごとに発達水準を検査、IQ(数値)が出る、発達障がいの診断にも使用
- WISC … 何が得意で何が不得意かを知り、得意を伸ばし、苦手をフォローするための検査
と、私は公認心理士さんから、説明を受けました。
なので、まず、①田中ビネーを今回受けて、少し成長して、得意不得意がよりはっきりしてきた頃(早くて年長の秋以降)に②WISCを受けると良いとのこと。
最終的には息子は小1になってから受けるので問題ないと言われました。
田中ビネー式知能検査のやり方は?
息子の場合は、公認心理士さんと子供で、一対一で行いました。
親とは離れますので、
- 始めるときに分離がスムーズにできるか
- 親がいない状態で、(多くは初対面の)公認心理士さんと、初めての検査をスムーズにできるか
もポイントとなります。
- 低年齢→高年齢の発達内容にそって、簡単なことから、徐々に難しいことを、一つずつ検査する。
そのため、初めは楽しくやっていても、自分が難しいと感じるところから、以降はずっと難しいことが続く傾向になります。(物事により得意不得意はありますが)
途中からは「難しくてもうやりたくないな」となるので、そこからどういう反応を示すか、も見られているようです。
田中ビネーの所要時間は約1時間だが、子供によりけり
所要時間は、合わせて約1時間でした。
ただ、うちの息子は、この検査をやはり途中から嫌がったり、なかなか進められず、なんと、日にちをずらして3日かけて1時間をやっと終わりました。
2日目は、難易度が上がったことと、全く気分が乗らないこともあり、(年長になってまもなく、先生も変わったり環境変化が大きいことも要因とのこと)ほぼ、手付かず。
なので、実質は2日で、保育園帰りに行ったので、それぞれ30時間位でした。
田中ビネー式知能検査の料金(無料も)
私は病院で受けたので無料でした。
療育を受けている、コペルプラスの教室では17000円で受けられます(通学生は1000円割引 )、との掲示がありました。
病院では、子供の医療費扱いで無料になりましたので、そちらで受けることをおすすめします。
田中ビネーの結果(IQ)
結果は、息子がいない時に親のみで聞く
結果については、できれば息子がいない方がよいと言われて、両親2人のみで、聞きにいきました。
(息子は保育園の夕方の時間に)
5歳だと、「発達の遅れ」などの話の内容が具体的にわかる年なので、本人を不安にさせないように、なるべく親のみの方がいいとのことでした。
結果(息子のIQほか)
息子の場合、以下の結果でした。
- IQ:90
- 実年齢:5歳0ヵ月~2ヵ月
- 精神年齢:4歳6ヵ月
検査を3回に分けて、2ヶ月かけておこなったので、実年齢に幅があります。
IQは、平均が100であるため、平均より下で半年ほどの遅れでした。
公認心理士さんから言われて印象的だったこと
- 数値が出るので、そちらに気をとらわれがちになるが、何を気を付けた方がいいか、どうすれば、息子くんが過ごしやすくなるのかをより意識することが大切。
- こだわりが強く、決められたことをやることに抵抗がある場合もある
- 嫌なこと、やりたくないことを伝えるときに、試し行動(わざと大人が困る行動をしてその反応を見るなど)ではなく、「それはやりたくない」など言葉で伝えるようにできると良い
- 小学校での生活はかなりのストレスになるでしょう
他にも、総合所見にて、手書きでびっしりとアドバイスを書いていただきました。
小児科の先生の診断
この結果をもとに、小児科の先生からは、多動傾向あり(ADHD疑い)と言われました。
5歳児健診では、投薬の説明もありましたが、この結果を受けたこともあったのか、今すぐに投薬なども必要ではない、という先生からの言葉もありました。
ただ、まだこの年齢では、変化することも多く、一度正式にADHD診断を出すと、小学校や中学校まで、ついて回るので、現状特別必要でなければ、正式に診断書を出すことはしてない、ということです。
田中ビネーの結果は、親はもらえる?
公認心理士さんに聞いたところ、
- 保育園
- 療育施設
- 就学前相談(自治体)
へは結果を共有することになるということで、
後日封をした状態で3通いただきました。
両親へは、本来正式には紙での結果はいただけないそうですが、保育園に頼んでコピーをすることは許容しているそうで、我が家もそうさせていただきました。
親の正直な感想
子供が発達が遅れている、多動だ、ということは感じていましたが、今まで一度も正式な診断を受けていず、どれくらいの遅れなのか?小学校で普通学級に行けるのか?と心配ばかりでした。
今回、受けて一番よかったことは「客観的な診断が分かったこと」です。
IQは、正直、予想よりも良かったです。もっと平均より低いものを予想していました。
これは、病院の先生もそうだったのではないかと、推測しています。
なぜかというと、田中ビネーを受ける前の、5歳児健診(先生の所見)では、実は投薬の説明もかなり詳しくあったのですが、田中ビネーを受けた後は、「投薬は本人や周りが困った時の判断。今すぐには必要ない」というトーンダウンした案内になったためです。
一番の課題として、「小学校生活がストレスになる」という言葉もあったので、小学校生活を息子がどのようにしたら楽しめるようになるのか、(普通学級+通級などを検討するのか)を今後考えていきたいと思います。