私は、幼い頃から、あまり自分に自信がもてませんでした。
性格かもしれませんが、漠然とした「不安」があり、だからこそ、試験でも悪い点を取りたくない、というのが原動力となって、勉強したりもしていました。
そんな私が、大学生の夏季休暇で人生で初めて行った海外・ニューヨーク。
1カ月、英語の語学スクールに通いました。
文法の成績で上位クラスになってしまって
初めて受けたペーパーテストのクラス分けで、上の方のクラスになってしまった私。
「いやいや、文法は出来ても、全然話せません」という典型的な日本人のあるあるかもしれませんが、授業についていけるか不安になり、担当の先生にクラスを落としてもらえないか、直訴へ行きました。
私:文法の点は良いかもしれませんが、スピーキングは苦手です。もっと下のクラスにしてもらえませんか?
先生:ふむ。君はいつニューヨークに来たのかな?
私:えっと、3日前です。
先生:では、まだ話すことに慣れてなくて当然だ。まずは、今のクラスでやってみて、様子を見てからまた考えてみてはどうかな。
私:・・・分かりました。
という感じで、すぐに変更することは止められました。
この学校では、クラスごとに担任の先生がいて、同じ先生にその後も相談することが可能でしたが、結局そのままのクラスで1カ月間過ごしました。
ニューヨークの語学学校のクラスメイトは
語学学校によっても違うこともあると思いますが、私が行った語学学校のケースのご紹介です。
ちなみに、月曜日から金曜日まで週5で、水曜日のみは午前中で終わる、というコース。
ニューヨークという土地柄、私のような「大学生が夏休みに来ました」というお気楽学生は少なく、
- ニューヨークでアート系の学校に通う学生
- 移民としてニューヨークで仕事を得た社会人
- 空港で仕事をしているバリバリのビジネスウーマン
などなど、学生から社会人まで、「現地で生活するのに英語力向上が必要です」という方が多かったです。社会人の方は仕事を始める前、または休暇をとって通っていました。
でも、優しい大人が多かったので、私が発言につまってしまっても、助け船を出してくれたり、嫌な思いをすることはなく、楽しく過ごすことができました。
スピーキングが得意なクラスメイトがまさかの・・・
授業で定期的に文法のテストをすることがありました。
先生が「では終わる頃にまた戻りますね」と一度教室の外にでるのですが、先生がいなくなると、「話せないけど、文法はできる日本人」と認識されている私の答案を、2~3人のクラスメイト(社会人)が堂々とカンニングをしに来ていました。
トコトコと席まで歩いてきて、答案を席まで見に来て、私も特に隠しもしないので、答えを見ると「あ~なるほどね」と、帰っていくのです。
クラスで、いつも積極的に発言しているクラスメイトの面々が、です。
堂々とくるのが、逆に微笑ましかったりするのですが、いつも私が「よく色々話せるなぁ」と感心しているクラスメートなので、「文法を正確に理解してなくても、そんなに話せるもんなんだな」と実感しました。
もらった成績表「オールA」は間違い?
終わるときには成績表が一人ひとり、もらえます。
ドキドキしながらそれを見た私はびっくり。
- 文法 :A
- スピーキング:A
- ライティング:A
- ・・・
- ・・・
などなど、Aの項目が並んでいるのです。
あれ?? 文法Aは分かるけど、それ以外は、明らかに違うのでは?
最後の方には、だんだん発言はできるようにはなった私ですが、スピーキングがAってほどは、まずできてません。
もしかして、他の人の成績と間違えているのかも?
心配した私は、先生に聞きにいきました。
初めに、クラスはそのままでやってみて、と言われたあの同じ担任の先生です。
私:あの、私の成績、オールAだったんですが、もしかして、他のクラスメイトの間違いかな、と思って。
先生:いや、それは確かに私が君につけた成績だ。
私:え? スピーキングがAっていうのも、そうですか?
先生:そうだ。・・・なぜなら、君に必要なのは、自信だからだ。
それを聞いて、私は衝撃を受けました。
これがアメリカの教育なのか
私立のいち語学学校で、通常の学校教育とは異なり、相対評価でもなく、特に厳しい規定などはないのかもしれません。
でも、「スピーキングは得意ではない者にA評価」という、明らかに事実と異なる成績をつけ、それを「自信をもってもらうため」と言い切る。
日本では考えられないようなこの評価に、これが、アメリカの教育なのか?とびっくりしました。
自分が、なんと答えたのかも覚えていません。でも、その場面のシーンは脳裏に焼き付いています。
未だに、衝撃の一言として、印象に残っています。
1カ月だけでしたが、今でも、お世話になった「自分の先生」として感謝の気持ちがあります。
自分に自信を持てない方におすすめの本
先生にもらった、本当は違う「オールA」の成績表。
これを機に、自分に自信を持とう!と思っても、実際なかなかすぐには難しいものです。
でも、私が読んだ本で、自分に自信をもてない、という方へおすすめしたい本があります。
自分を好きになれない悩みを持つ青年と、アドラー心理学を学んだ哲学者である先生「哲人」との対話形式で、楽しめました。
「嫌われる勇気」はこんな方におすすめ
- 学歴や容姿、過去のトラウマなどによって、今の自分は好きになれないという方
- 時間がなくて、夢を先延ばしにせざるを得ないと考えている方
- 兄弟と比較されたり、親の暴力など、複雑な家庭環境で、幸せではないと感じている方
- 自分に自信がなく、好きな相手に告白できないという方
また、子どもを持つ親なら、「自分に自信をもって、幸せな人生を歩んでほしい」と思うもの。
この本は、「子供の自己肯定感を高めて自信を持つための声かけを知りたい方」=親や、教育者の方にも、強くおすすめできます。
私も、子どもに「幸せ」になってほしいので、この考え方を子育てに活かしたいと思っています。子供の頃からの、ちょっとした一言って、実は子供にとって大きなものなんですよね。
この本の中で、「哲人」は(本で述べられているアドラー心理学を知った方は)「誰もが今日から幸福になれる」と言っています。
たとえどんな状況であっても、過去にとらわれず、今の自分で「幸せ」になるには?
「そうはいっても、大災害にあった場合は無理でしょ」と思っていても、哲人と青年の対話を聞いていると、「一見不幸と見られるどんな状況でも」幸せになれるのかもしれない、と思えてくるから不思議です。
そんな考え方を子供にも伝えられたら、人生最大のプレゼントですね。
時間がなくても読書できる:Amazonオーディブル(無料体験あり)
私はこの本をamazon オーディブルで聞きました。
聴く読書、という音声のオーディオブックですね。
読書するのは、時間がないとなかなかできませんが、聴くと早いんです!
家事をしながらでも、散歩しながらでも、耳は同時に聴けますしね。
散歩していると、聴くためにもっと歩きたくなってりして、一石二鳥だったりします。
「嫌われる勇気」は、通常の速度で聴くと7時間ですが、2倍速だと3時間30分で聞き終わります。
2倍速以下でも、かなり時短になります。
通常速度 | 7時間 |
1.3倍速 | 5時間23分 |
1.5倍速 | 4時間40分 |
2倍速 | 3時間30分 |
実際、読書するより、音の方が読むより断然速いんですね。
そして、何度も聴けることで、「なんとなく」聞いてたことでも理解が深まったりします。
ながら読書は、忙しい方の味方ですね。
無料体験(30日間)で1冊は無料で聴けます。すぐに解約しても、その一冊はずっと聞けるようになってます。