就学相談に行かなきゃ良かったとショックを受けるケースは?デメリットや予備知識

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年長での小学校に向けた就学相談で、行かなきゃ良かったと後悔するケースがあると聞きます。

我が家は、先日就学相談に行ってきました。行く前は「就学相談をすることが、子供にマイナスになることがあるのだろうか?」と心配もしていましたが、結局は相談してよかったと感じています

ただし、お子さんの状況によっては、就学相談を行かなきゃ良かったと明確に後悔する可能性もあるという驚くべき状況があります。

簡単に言いますと、後悔するケースとしては、

就学相談を受けるかは任意であるが、親と教育委員会の意見が異なった場合は、教育委員会の意見が優先されることによると思われます。

以下に詳しくご紹介します。

就学相談は受けないといけないのか

まず、就学相談を受けること自体は任意となっています。

小学校への就学に不安を感じている場合は、親が自治体に申込みをして、相談を受けることができるという位置づけです。

何もしない場合は、自動的に普通学級となります。

普通学級か特別支援学級(学校)かを決めるのは誰か

日本の法律では、ということになっています。

ただ、就学相談を行い、親の意見と、教育委員会の意見で合意した場合はよいのですが、問題は、意見が異なった場合です。

特に、親が普通級が良いと思っていても、教育委員会の意見が「特別支援学級(特別支援学校)が良い」となり、合意されなかった場合は、教育委員会の意見が優先されることが多いようです。

ここに、「任意であるはずの就学相談によって、親の意見が尊重されない可能性が生じる」矛盾があります。

就学相談の判定基準・IQの目安について

就学相談の判定基準は自治体により異なりますが、IQは知能検査を受けることで、知ることができます。

就学前の発達障害の知能検査の場合は、田中ビネー式知能検査Vを利用することが多く、息子も受けました。

IQの平均は100であり、一般に発達障害(知的障害)が疑われるケースはIQ70以下と言われています。(または75以下のケースもあり。自治体により異なります)

IQ約85~115平均的
IQ約70~85境界知能
IQ約70以下知的障害の可能性あり
※「知的障害」の基準は、自治体により異なります

そのため、平均とされるIQ85以上の場合は、普通級以外を勧められることは少ないと考えられます。

境界知能とされる70~85もグレーゾーンであったり、判断が難しいところですが、私の自治体の場合は保育園の先生より「IQ70以下でなければ、親が希望しなければあまり支援学級の話は出てこないだろう」というコメントがありました。

ただ、IQは平均以上であっても、数字には出てこないところで、本人が集団生活で困ることもあったり、実際、就学相談で子供の面談により、普通級では難しいと判断される可能性はあります

就学相談を後悔するケース

後悔するケースとしては、「親が希望しないのに、支援学級・支援学校を勧められた」ケースが考えられます。

可能性としては、IQの目安が70(または75)以下、または学習面・友達との交友関係等で、普通学級では難しいと判断されるケースです。

もし、「お子さんに上記のような可能性があり、でも普通学級に入れたいと考えている」場合は、就学相談は慎重になった方がいいでしょう

普通学級→支援学級へは変更できるが、その逆は難しいという自治体もあります。この小学校入学時の判断で小学校6年(場合によっては中学校まで)の学級が決まってしまう可能性もあります。

就学相談の判定により不服ながら、特別支援学級等になってしまう可能性があることは、大きなデメリットと言えます。

そのため、あえて「就学相談をしない」という方もいるそうです。

就学前相談をグレーゾーンで迷う場合

「就学前相談を迷っているが、グレーゾーンでIQが分からない」という場合は、先に田中ビネー式知能検査Vを受けてみることをおすすめします。

私の場合は、5歳児健診を行った病院で無料で受けることができました。所要時間は合計1時間ほどです。

公認心理士さんがいて、その後も相談にのってもらえる体制の病院だとより安心です。

また、就学相談時に、「子供の情報を小学校に提供することの同意」を確認されますので、そもそも就学相談をしなければ、この検査の結果が自治体や小学校に自動的に行く心配はないと思います。

就学相談のメリット

デメリットがあるなら就学相談はしない方が良いのか、と思いがちですが、私は個々のケースにより異なり、メリットがあるケースもあると思います。

就学相談を受けた方がいいのは、知的障害がなく通級希望の場合等

特に、我が家のように、

  • 子供に知的障害はないが、多動傾向がありADHDの疑いがある場合、かつ
  • 「通級」(普通級に所属しながら週2時間程度集団行動になれるための教室に通う)を希望する

という場合は、就学相談をするメリットが大きいと思います。

私の自治体では、知的障害はないが、情緒の面で集団行動・一斉授業に不安がある場合は、通級を受けられる制度があります。

通級の時間は自治体や子供によっても異なるようですが、私の自治体では週に原則2時間です。多いケースでは週に8時間ということもあるようです。

通級は人気があり、入ることが難しい

私の自治体の場合、この通級が、定員以上の需要があるため人気があり、なかなか受けられない状況と聞きました。

それを今回の就学相談により、その希望を出す手続きができたという点でメリットがあったと思います。(最終結果はまだ結果待ちです)

就学相談をしていなかったら、定員以上の人気がある通級にはそもそも入れなかった可能性が高いです。

また、入学後に通級を希望したとしても、入れるかは分からず、早くても1年後ということも多いそうです。

私は、小学校での集団行動に慣れることが心配なので、1年生から通級に通い、もし様子を見て必要なければ2年生からは通級は卒業して普通級のみにする、というのが息子にとっては最善策かと考えています。(何年生まで通級とするかは保護者と学校とで相談できます)

通級に通える可能性が高まったという点で、就学相談できたことは大きなメリットでした。

就学相談で普通級の判定だった息子のケース

息子は就学相談を行い、面談により普通級+通級の判定で、親の希望と一致した形でした。

参考までに、IQや医者からの診断は以下のものでした。

(5歳の就学相談で提出した内容)

  • IQが90(87~90)
  • 多動傾向あり
  • ADHD疑い

IQが平均以上であること、また当日就学相談の担当者(おそらく元教員と思われる方)が簡単なテスト(パズルや、絵、ひらがなを書く等)を行い、知的には問題がなく、支援学級・支援学校の必要はないと判断されました。

また、先に医者から「多動傾向あり、ADHD疑い」の診断を受けていることで、集団行動観察は省略でき、通級を受ける候補になるという説明を受けました。

我が家は通級を希望していましたので、このような形になりました。

田中ビネー式知能検査の結果を持参したことで、就学相談が1日(約1時間)で終了しましたので、それも助かりました。

まとめ

発達障害をもつ子供にとって、その進路を決めることはとても難しいことだと感じます。

私の息子も「小学校の生活はかなりのストレスになるだろう」と先生に言われています

ただ、主治医の先生もおっしゃっていましたが、「5歳くらいの年齢では半年ですごく変化することもある」ので、就学までに親もできるだけのことをしながら、小学校入学までに備えていきたいと思います。

例えば、息子は半年前までは、ひらがなは、ほぼ読めませんでした。

家で教えようとしても嫌がるので、公文の教室に行きましたが、多動傾向があることから2つの教室から断られるという事態に…。

なんとか、少しずつでも毎日家で練習するようにした結果、今回就学相談のひらがなの確認では、息子が読めたひらがなも多く、その成長がうれしくて「練習して良かった!!」と心のなかで喜びをかみしめました。

一方で、本来、安心材料となるべき就学相談について「行かなきゃ良かった」と後悔している親御さんがいることは大きな問題だと感じます。お子さん・保護者にとって、後悔のない選択ができるようになることを祈ります。

色々なケースがあるので、私のケースは一例ですが、少しでも参考になれば幸いです。