「七田式」といえば、右脳教育の教室が有名ですね。
私は、「教室に通うのはちょっと大変」と思いつつ、右脳にいいことを子供の幼児期にやっておきたいという気持ちがありました。
そんなときに、家庭でも簡単にできる右脳を育てる遊びや習慣について、とても参考になる本があったので、ご紹介します。
教材は不要で、おうちですぐにできるものがほとんどです。
七田式の創始者・七田眞さんの次男である七田厚(しちだこう)さんが書いた本を読んで、参考になったこと等をご紹介します。
七田厚『七田式0~6歳の週末右脳あそび』(2020年・WAVE出版)
忙しいママ・パパもできる知育の一歩
まず、この本は忙しいママ・パパにこそ、読んでほしい本です。
なぜなら、忙しいママさんの気持ちに寄り添って、「これならできそう」という小さな目標から書かれているからです。
実は私、七田式・知育、というと、毎日やや難しいプリントや教材などをみっちりやる!というイメージがありました。
この本もそんな感じかな?と、勉強するつもりで開いたところ、イメージとは大違い。
そういった難しい教材がなくても、できるものばかり。(一部、ドッツカードや、国旗のカード、論語などを利用するものがありますが、ごく少数です)
基本として、平日にこれから始めよう、と挙げられているのがまずこの2点。
- 絵本の読み聞かせを1冊する
- お手伝いをさせる
ありがたいことに、この2点なのです。どうですか?これなら、働いているママ・パパでも、できそうですよね?
それに加えて、週末には2つのあそびだけ。3カ月のスケジュール式で紹介されていますが、好きなものを選んだり、疲れたら休んでもいいし、親子で楽しめるように、すすめてよいというのが、気楽にできる嬉しいポイントです。
1日1冊の絵本読みはなぜ大切?
絵本の読み聞かせも、まずは1冊からでよい、と言ってくれています。
できるママは、もちろん何冊でも多く読んであげる方がよいのはもちろんです。ただ、1冊すらも難しいような余裕がない日々をバタバタと過ごしているママさんも多いのでは?私もそっち組です。
絵本を毎日〇〇冊!と高い目標をかかげられるのではなく、まずは絵本の読み聞かせを1冊でいいので、と言ってもらえると、「じゃあ、1冊なんとか頑張って毎日続けてみよう」と思えるので不思議です。
そして、逆に言うと、絵本の読み聞かせが「1冊であってもいかに大切か」ということに改めて気づかされます。
子育てで、一番大切なのは、子供に愛を伝えることだと言います。
たった一冊でも絵本の読み聞かせをしてもらいたい、いちばんの理由は、絵本読みはお母さんの愛情が子供に伝わる時間となるからです。(略)
絵本読みをされた子は「私はお母さん(お父さん)に愛されている」とはっきり自覚できます。
それは、絵本読みが決して片手間にはできない行為だからです。
本書46ページ
なるほど、確かに、絵本の読み聞かせは、「料理をつくりながら」「家事をしながら」はできません。子どもは、お母さんが他でもない自分のためだけに、一緒に絵本を読んでくれている、というスペシャル感を味わえる。そのことで、愛を感じて心が満たされる、といういい循環が生まれるわけです。
親にとっては、単純な絵本を読むことは「作業」になりがちですが、子供にとっては、その時間こそが宝物なのかもしれない。そう思うと、一日3分~5分の1冊の絵本の読み聞かせの時間を大切にしないといけないなと感じます。
ちなみに作者の七田厚さんは、自身の3人のお子さんに3冊ずつ15分位は読み聞かせをしていたそうです。
お手伝いの大切さ
親に余裕がないと、子供にお手伝いをさせるのもなかなか難しいもの。
自分でやった方が早いし、面倒じゃないし。本書では、ついつい、そう思ってしまうお母さんへ向けて、こんな言葉が。
「自分の生活が楽になるための投資時間」と考えてみてください。
本書49~50ページ
今のうちに、できるようになれば、将来子どもが家事を分担してくれて、超楽になる!そう思えば、お手伝いをさせよう、とやる気になりませんか?ということですね。
お手伝いは生活の基本となる概念が、自然に身につく最高の学び場なのです。(略)
子供にとってお手伝いは労働ではなく、お母さんとすごす楽しいとき。愛情が伝わる時間です。(略)
本書50頁
我が家では、週末などに、布団を干すときに、シーツを洗濯機に入れる、というお手伝いが息子のお気に入り。
よいしょ、とシーツを入れているところを、「すごいね!うまいね!」とほめていると、嬉しそうに、また次々に運びたがって洗濯機に入れていきます。
ほめポイントが生まれるのも、お手伝いのいいところ。
本書51頁
お手伝いをすることで、子供は親の役に立てる喜びを味わえるし、学びにもなる。
親は家事を手伝ってもらえる(将来的にはもっとうまくなるので、だんだん楽になる)。
子どもが大きくなって頼んでもやってもらえなくなる前に、お互いに楽しんでできる時期にお手伝いを習慣にさせていきたいですね。
家庭でできる右脳知育の工夫
この本には、既に知られている「おうち遊び」についても多くとり上げられています。
参考になるのは、子どもが小さいときに遊び始める場合の「まずはここから」の初級編のポイント・工夫が書かれていること。
その遊びを子どもでもできるように「簡単に」できるようにルールや方法をつくる。ちょっとした工夫で、子どもが楽しめるようになるのだな、と参考になりました。
また、逆にできるようになったときの「チャレンジ」の発展編ポイントの解説もあります。
しりとりを子どもとやる場合(簡単編)
例えば、しりとり。大人でも知っている遊びですが、こどもはまだまだ語彙力が少なく、次々に言葉をあげるのが難しい年齢の場合もありますよね。
そんなときに、
小さいうちは、語彙力がないので、同じ言葉を何回言ってもいいようにルールを甘く設定します。
本書137ページ
これは、なるほど!と思いました。
同じ言葉でも言ってもいいよ、となると、こどもは「言える言葉がない・・・」とつまることがなくなり、楽しめそうですね!
慣れてきて、自分で違う言葉を探してみようとするまでは、我が家も「同じ言葉もオッケー」ルールでやってみようと思いました。
連想ゲーム・not 連想ゲームも!
「しりとり」以外でも、移動中などに道具がなくても気軽に楽しめるのが「連想ゲーム」。
「りんごといったら、丸い」「丸いといったら、ボール」という風に連想した言葉をつなげていくゲームですね。
ゲームを楽しむうちに、語彙が広がりそうです。
ここで、「チャレンジ」の発展編として紹介されていたのが、「not 連想ゲーム」。
「甘いといえば、グローブ」「グローブといったら、まな板」「まな板といったら……」と全く関係ないものをつないでいきます。関連したものを連想しがちな脳を、切り替えて発想できるか、瞬発力が必要になってきます。
本書139ページ
これって、大人でも、難しくないですか?
でも、意外に子どもの方が得意だったりするかも?
こういうゲームって、大人の脳トレにもよさそうですね。
1/2神経衰弱
子どもが大きくなったら、家族で楽しめる「トランプ」は数も覚えられるいい遊びですね。
本書では、トランプでは、定番の神経衰弱がおすすめ、と紹介されていました。
私が参考になったのは、神経衰弱を半分のカードでやる「1/2神経衰弱」。
52枚のカードを使う神経衰弱が難しいときには、ハートとスペードだけなど半分の枚数の1/2神経衰弱をしましょう。ルールがわかりやすくなり、覚える量が少なく「できる」という感覚を積み重ねられます。
本書99ページ
これなら、幼児でもとっつきやすそうです。まず初めのトランプ遊びにいいですね。
英語について
気になる英語についてもご紹介します。
「英語あそび」として、英語の歌をまずは繰り返し聞くことが紹介されています。
年齢に応じた子供向けの教材を使うのがおすすめです。
短い歌を2回連続して聞き、その後3回目を子供の番にしましょう。3回目は歌い声がなく、メロディーだけが流れるCDがあるといいですね。なくても、「今度は〇〇ちゃんが歌ってみよう」と促して、アウトプットの時間をとりましょう。
本書156ページ
「子供が自分で歌うのか、けっこうレベル高いな」と思っていると、次のページには、こんな優しいコメントも。
時期がくればできるので、子供が歌えることを期待せずに取り組もう。
本書157ページ
まずは、英語を流しているだけでもよさそうです。
また、絵本でも、英語の絵本の日を取り入れることが提案されています。
数ページだけの英語の絵本を夜の読み聞かせに使いましょう。
本書157ページ
まずは、気軽に少しずつ、英語の音や絵柄に触れることから始めて、慣れてきたら英語の暗唱への取り組みがチャレンジとして紹介されています。
長い英語の歌をいくつも聞くより、何冊もの英語の絵本を読み聞かせるより、1冊4ページの英語の絵本を丸暗記できたほうが子供の自信となります。
本書157ページ
また、ここでの注意点としては、年齢にあった教材を使うこと。
簡単すぎるほど、簡単なものから始めるのが、個人的には良いと思います。
子供が「食べるのが遅い」対策は?
「靴をちゃんと履けない、食べるのが遅い、子供が一人でできるようになるように、ちゃんと教えなくちゃ、早めにできるように今からしつけをしなくては・・・」私の日々のイライラ場面です。
私の息子は早生まれで、同学年の子供より、発達が少し遅め。
その点もあって、他の子に追いつけるように、できるようにと、いつもしつけを焦っていたかもしれません。
実は、私がこの本で一番学んだところは、次のところです。
「教える」先には、必ず教えたことが「できた」か、「できなかった」か、ジャッジがあります。親は子供を評価する人になっていまうのです。
すると、伝わるのは条件付きの愛だけ。子供は、そのままの自分を愛されない不満を常に感じとるようになります。
本書32ページ
教育よりもまずは愛。しつけよりもまずは愛。そう言われているように感じました。
実は、食いしん坊なうちの息子は、食べるのに1時間、長いときで1時間半もかかることがあります。
それを何とか早く食べさせようと私はいつも食事に焦って、怒ることがしばしば。
どうしたら欠点が直るか考えるのではなく、「そのままの我が子が最高」「いつだって100点満点」そう思って、良い点だけにフォーカスしていきます。
「ご飯を食べるのが遅い」と思うことがあっても、それを欠点を見ないことです。(略)ゆったりと食事ができる、優雅な貴族気質な子なんだと発想を変えてみる
本書44ページ
「うちの息子は貴族!」これには、目からウロコです。「いいんですか?貴族と思って・・」
そんな発想の提案をされるとは、びっくりやら、嬉しいやら。
これを読んで、「遅くてもいいや、貴族だから」(笑)と思えるようになりました。
本当は早く食べられる方がいいに決まってますが、「そういえば、母親の私(自分)も食べるのが遅い。なんだ、私と一緒か、遺伝かもな」と気楽に思えるようになりました。
そして、食事中に怒ることがなくなり、私も「せかさなくてもいい」と気がラクになり、息子もニコニコ。欠点を「貴族」と考えることで、びっくりするほど、私の気持ちに余裕ができました。
子どもが食べるのが遅い、と悩まれている方!ぜひ、「貴族なんだ」と思ってあげてください。
「早く食べる」対策になってないかもしれませんが、親の気持ちがラクになります。
親が余裕ができてニコニコしてれば、子供も嬉しい。いったん、しつけはあきらめて、貴族気質で食事しちゃいませんか?それが経験上、一番良い気がしました。
身近なものでできる遊びも
教材を使用しない遊びは、他にもたくさん紹介されています。
- 大小あそび
- 1分ゲーム
- ジェスチャーあそび
- 形あそび
- 量あそび
- 順序あそび
一つ一つは単純でも、身近にあるものを使って、いくらでも遊びや知育にできるのだな、と思いました。
ここでは、紹介しきれませんが、ぜひ興味のある方はチェックしてみてくださいね。
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