海外一人旅のなかでも、「インド一人旅」というのは、バックパッカーをしたい人には特別かもしれません。
私も20代の頃に、1カ月半、インドをバックパッカーとして女一人旅をしてきました。
日本でもよく聞かれることが多い質問のひとつ、「インドを一人旅するなら英語力はどれくらいあればいいの?」について、お伝えします。
一人旅の内容によっても必要となる英語力は異なるところはありますが、一言でいえば、「英語力はなくても旅はできるが、日常会話はできた方がよい」が私の意見です。詳しく説明しますね。
私が旅をしていたころの英語力は、TOEIC800点位でした。
英語力がなくても、とりあえず一人旅はできる
英語力がゼロでも何とかなる
結論から言えば、「英語力全くゼロでも、何とかなる」です。
え?!と思われるかもしれませんが、単純に旅行するだけなら、意外と何とかなるもんです。
実際、「英語はほぼできない」という日本人にもインドでは意外と多く私は出会いました。
(英語がかなりできる方も、もちろん多いです)
例えば、日本を旅行している外国の方々も、日本語がそれほどできなくても、地図を片手に迷っていたら、何とか指を指したり、地図上で教えてあげたりして、行くべき方向を教えてあげることってできますよね。
それと同じで、海外でも英語が全くできなくても、意外と何とかなる。ただし、それは「行きたいところに行く」だけの旅行なら、です。そして、「相手が話すことが分からなくても気にしない」強いメンタルがあることが条件です(笑)
英語力がなくてもコミュ力があったマルちゃんの例
私が、旅行中に出会った一人の日本人女性のマルちゃん(仮名)。その人は全く英語が話せませんでした。
でも、一度会ったら忘れない強烈なキャラの持ち主で、誰とでもすぐ仲良くなってしまうようなコミュ力があったんですね。有名人でいうと、フワちゃんみたいな雰囲気です(フワちゃんは英語できますけどね)。
バックパッカーで一人旅をしていても、進む方向が同じだと、何人かで一緒にしばらく移動したりもします。そのマルちゃんの周りには、よく人が集まるので、いつもにぎやかでした。
結局、マルちゃんの他に、英語ができる人が誰かしらいたりして、マルちゃんは自分で英語が話せなくてもそんなに苦労していませんでした。旅行中に気の合う人を見つけて、ほぼ一緒に移動してるようでした。
珍しい例ですが、アジアのバックパッカーでは、日本人も多いので、こういった個性によって、英語力がなくても何とかなったりもします。(ヨーロッパや南米などでは日本人が少ないので難しいかも)
ホテルで宿泊手続ができる英語力があれば、困らない
とはいっても、やはり、英語(準)公用語の国で、全く英語ができないとやはり困ることも多く出てきます。では、旅行中にあまり困らないようにするには、どれくらいの英語力が必要になるでしょうか?
旅=「宿泊」と「移動」の連続
特に必要となる場面としては、ホテル(宿泊)と、電車・バスなどの移動の手続きですね。
極端な話、「旅=宿泊と移動」の連続なので、この2つをスムーズにできることが必須だと思います。
そのため、ホテルなどの手続きができる程度の日常英会話ができれば、「あまり困ることなく旅行ができる」と言えると思います。
そういった場面で使う表現はある程度決まっているので、そこはメモする、覚えるなどすると良いかと思います。
- シングルルームで2泊したいです。I would like to stay two nights in a single room.
- このバスは郵便局に行きますか? Does this bus go to the post office?
などなどですね。
電車やバスに乗る(移動)と、ホテル・宿に泊まる(宿泊)ことができれば、 それ以上の英語力はなくても、あまり困ることはないとも言えます。
高度な英語力がなくても、旅はできるが・・・
今までは、「英語力はそれほどでなくても旅はできる」と言ってきましたが、それでも、私は「やはり日常会話はできる程度の英語力はあった方が良い」という意見です。
その理由は、次の2つです。
- 犯罪や事件・トラブルに巻き込まれないようにするため
- 旅先で出会った人との会話を楽しめるかで、旅のレベルが変わる
それぞれ、詳しく説明しますね。
旅先で英語ができないことのリスク
インドはバックパッカーも多い魅力的な旅先である一方、残念ながら事件や犯罪も多い国と言えるかもしれません。
そして、私が現地で見聞きした限り、事件や犯罪に巻き込まれるのは、英語が苦手な日本人がターゲットにされていることが多いようでした。
もちろん、高い英語力がある人でも、スリにあった人もいるし、英語ができなくても、無事に帰国する人もいます。ただ、やはり、割合として、英語ができない人の方が被害者になる確率が高いようでした。
英語で日常会話ができると、例えば、現地の人や宿泊先のスタッフなどとの会話で、こんなアドバイスをもらえることもあります。
- 「〇〇エリアは危ないから行かない方がいいよ」
- 「〇〇時以降は出歩かない方がいいよ」
- 「〇〇の時期は、イベントで人出が多いからホテルにいた方がいいよ」
宿泊先に日本人がいたり、日本語のわかるスタッフがいることもあるので、必ずしも英語でないとそういう情報が得られないこともないですが、インドの場合は、英語ができれば、観光地はほぼ通じるので、やはり英語で、そういった会話ができることのメリットはありますね。
逆に言えば、そういった会話が理解できない程度の英語力だと、「危険を回避するための情報を得られない」というリスクになる、と言えます。
犯罪に巻き込まれないための考え方
ただ、犯罪やトラブルに関することは、英語力だけの問題ではありません。
旅先での情報収集力(=その重要性を感じているかも含め)、旅先だからと気をゆるめてしまう、といった他の要素も関わっています。そのため、一概に「英語力の問題」とは一言で言えないところもあります。
危険・トラブルを避けるためには、次の2つが大切だと思います。
- 新しい場所に行ったら、ホテル等で最新の治安情報を得るようにする
- 少しでも危険があれば「そこには近づかない」という意識を持つ
新しい場所に行ったら、ホテル等で最新の治安情報を得る
例えば、ホテルにチェックインすると、親切なスタッフさんだと、町の地図を開いて、このエリアはスリが多いから気をつけてね、など教えてくれることがあります。
そういったホテルは少数派なので、自分から、
「この辺りでどこか危険なエリアはありますか?」Is there any dangerous area around here?
と聞いてみるのが良いと思います。
また、日本人の宿泊者がいるときは、少し先に滞在しているだけでも、現地情報に詳しいので、聞いてみるといいでしょう。
スタッフさんが忙しそうだったり、話かけづらいときは、日本人に限らず、他の国からの旅行者に話しかけたりすると、同じ旅人同士なので、色々教えてくれることも多いです。
ガイドブックなどを手に、「どこに行きましたか?」「良い見どころはありましたか?」などと話しかけてみましょう。そういった会話を持つことで、危険な情報をキャッチするきっかけにもなります。
少しでも危険があれば「そこには近づかない」という意識を持つ
なかには、「せっかく旅行に来たから、〇〇のイベントは近くで見たい」「〇〇さんは、昨日同じ時間に歩いてて大丈夫って言ってた」など、危険回避よりも、旅の楽しみを優先してしまうケースも見られる。
たしかに、「このイベントは年に一度だから」「せっかくインドまで来たから」楽しみたい、という気持ちも分かります。・・・分かるんだけど、「もし、運悪く犯罪に巻き込まれてしまったら、日本に無事帰国することすらできないかもしれない・・・」と考えてみてほしいのです。
そういった危険を冒さなくても、十分、インドを旅しているだけで、色々な出会いがあり、日本では得られない経験はできます。
安全な日本から来た、平和な日本人を狙った犯罪者は多くいることを忘れないでほしいです。
旅先で会話を楽しめるかで旅のレベルが変わる
やっぱりインドって危険なのね・・・と怖くなってしまったかもしれませんね。
でも、危険があることを知ることで、安全で楽しい旅をすることができます。
旅の楽しみって何でしょうか?
世界遺産を見ること?
観光地をまわることも楽しいですが、私はやっぱり現地でしか出会えない人との出会いが一番印象に残ります。
旅行をしていると、「どこから来たの?」「どの町にいった?」「インドはどう?」とか色々話しかけられたりします。
その時に、英語で会話を楽しめると、一歩進んだ深いトークが出来たりします。
日本でもそうですが、「このことについて、あなたはどう思う?」という話ができると、一気に距離が縮まったりしますよね。
日本にいるだけでは気づかないような視点に気付けたりすると、おおっと思いますね。
私はこれが旅の醍醐味ではないかと思うのです。
そうは言っても、私も英語で会話するのは、英語脳をフル稼働なので、一苦労。
よく、長距離バスに乗って、隣の人が英語でずっと話かけてくるようなおしゃべりな人だったときには、降りるときにはぐったり疲れたものです(笑)
そういうときも、英語で話すのが苦労に感じないような、英語力がほしいと思いました。
英語がどの程度できるかによって、会話のレベルも、旅のレベルも変わってきます。
できるなら、旅のレベルをあげるためにも、英語力は磨いて旅に出てみることをおススメします。