シングルマザーで子ども2人を東大に入れた方法

シングルマザーで子ども2人を東大に入れた方法 子育て・教育

シングルマザーで息子2人を東大理1にいれたお母さんが書いた本を読みましたので、参考になったことなどをご紹介します。

  • たかせみほ『シングルマザーで息子2人を東大理Ⅰに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』(2020年・徳間書店)

離婚前の幼児教育レベルが高い

まず、前提として、幼児期から公文や多くの習いごと(スイミング、ピアノ、サッカー、レゴ教室!)をしたり、小学校受験をして私立小学校入学など、離婚前までにされている教育レベルがかなり高め、ということです。

別居にふみきったのは、39歳、息子さんが小4と小2のとき。

離婚されたのは2年後、41歳、息子さんが小6と小4のとき。

そこから、別居を経てシングルマザーになっても、塾に通いながら中学受験を行い、2人とも同じ栄光学園(中学・高校一貫)に入っています。

幼少期からシングルマザーという場合は、またケースが違うかもしれません。この本の場合は、離婚前の生活から環境をなるべく変えずに、中学受験、東大受験を成功させる道のりが書かれています。

また、離婚後も奨学金等を利用してですが、私立に通わせ、通塾していたことなども、一般のシングル家庭よりは経済的には余裕がある方ではないかと思いました。

東大に入るなら、東大を目指す同級生がいる学校へ

中学・高校や、進学塾で、東大を目指す友人が多い環境にあったことも、成功の要因にあげられています。

周りの友人たちが目指す大学がみんな東大だったので、もともと負けず嫌いな長男は大きな刺激を受けた

本書224ページ

もともと東大志望ではなかったようですが、同級生の影響で変わったのですね。

次男も、塾で東大合格を目指す旧友に再会し、勉強に打ちこむ姿に影響をうけたそうです。

お互いに切磋琢磨することができたから東大に合格できた。もしも彼と再会しなかったら東大合格は絶対にあり得なかったと断言できる

本書226ページ

「東大を目指すなら、東大を目指す同級生がいる環境」が一番有効なのかも、と思うコメントですね。

東大を目指す同級生がいる進学校へ合格することが、東大の近道になることは間違いなさそうです。

こちらの本でも、いかに中学受験を成功させたかの内容が濃くなっています。

幼児教育のポイント

現在、私は息子が2歳なので、本の中で、これから参考にしたい幼児教育のポイントからご紹介します。

絵本読み聞かせを毎日続ける

毎晩、絵本を読み聞かせて、その後に感想を言い合ったり振り返りをした

本書242-243ページ

3歳から小学生三年まで毎日続けたとのこと。

私も読み聞かせは重視してやっていますが、忙しいとたまにやらない日もあるかも。。。

毎日続けることを意識したいと思います。

100玉そろばんも毎日

100玉そろばんも、毎日、家で欠かさずやっていました。

本書85ページ

こちらも、毎日です。息子さん二人とも3歳から小1まで続けたとのこと。

うーん、さすがですね。

一つずつ、2・4・6・・と偶数ずつ、1・9で10、など足し算をしながら、など、やり方はいろいろあるんですね。

100玉そろばんは、以前見学した幼児教室でも、使っていました。

数字に強くしたいなら、欠かせないもののようです。私も今後取り入れたいと思います。

100玉そろばんでは1万円を超える商品もありますが、数字カードとセットになってお手頃価格のものもありました。

調べたら「120玉そろばん」もあるのですね!こちらもお手頃でアマゾンでも高評価です。

右脳と左脳を刺激

幼児教室では、右脳開発のためのカード72枚、144種の教材を使用。自宅でも、小林一茶の俳句カードなどを使って、遊びながら俳句を覚えて暗唱したり、七田式のプリントなどを使用していたとのこと。

七田式の、「ちえ、もじ、かず」のプリント類を、毎晩、子どもがお風呂から上がったあとにやっていました。

本書84ページ

こちらも、毎晩ですね。

毎日やっていること、ここまでだけでも、絵本読み聞かせ、100玉そろばん、七田式プリント・・・多いな~。

お風呂上りに、という時間を決めるのは、習慣になって続けやすそうですね。

モンテッソーリ教育を実践

藤井聡太さんも受けていたことで有名なモンテッソーリ教育。

息子さんたちが通っていたのは、普通の幼稚園で、モンテッソーリ教育施設ではなかったそうで、調べて真似して実践したようです。

また、モンテッソーリ教育については、次の本がとても参考になると紹介されていました。

  • 「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」相良敦子(講談社)

調べたら、マンガ版も出ていました。

勉強と遊びの時間のメリハリをつけた

短時間の濃い勉強習慣で「集中力」を身につけることができた

本書243ページ

集中して勉強した後で遊ぶなど、幼い頃から「勉強するときは勉強」「遊ぶときは遊ぶ」とメリハリをつけて育てたことも良かったそうです。

勉強以外にも、スイミングやサッカーも続けて楽しんでいたようで、体を動かす機会があったのも子どもにとっては良いことですね。たくさん習い事をすると時間がないのは大変ですが、楽しんでできるかがポイントですね。

公文のすすめ

幼児教育の中でも、本書では、公文が基礎学力の土台作りとなっていたように思います。

教育熱心な義母(著書のママさんから見て)のすすめもあり、3歳から公文(数学と国語)をやっていた息子さんたち。

東大に進学した息子たちに何がよかったか聞いてみると、「公文をやっていたのがよかったと思う」と言っていた

本書38ページ

3歳からえんぴつをもたせて、迷路や点つなぎをやったり、公文と幼児教室等にもかよったりと、3歳から6歳までの幼児教育が、基礎学力を高めたとのこと。

小4で中1レベルを終了

公文は負担を減らすために、週2を週1にしてその分プリントを多くもらうなど、工夫しながら他の習いごとも続け、公文は3歳から小4まで通塾。

公文の先生から「小4で中1レベルを終わらせると、中学受験にも、中学の授業もわかりやすい」とアドバイスがあり、中1レベルまですすめられたそうです。(算数と国語とも)

学校の勉強だけでも、十分ついていける子もいますが、先取り勉強をしている子どもは、学校の授業もより余裕を持って取り組めると思います。

算数ができると何よりも自信がつきます。算数に時間がかからないぶん、他の教科の勉強に時間を割くこともできて、勉強を効率的に進められるので、中学受験の勉強でつまずくことはまずありませんでした。

本書133ページ

以前はあまり考えていませんでしたが、本書を読んで、私も公文を始めた方がいいかなと興味を持ちました。

私の早期英語教育の目的のひとつ、英語ができることで、その分他の教科の勉強の時間が増やせる、という考えが共通していたからです。

国語は、読み聞かせや読書好きになれば力がつく気もしますが、特に数学は我が家は私も夫も苦手・・・。教えることも難しそうなので、算数は特に、公文の力を借りるのがいいかもしれないと感じました。

ゲームは、時間制限つきで

ゲームをやらせるかは家庭の判断が分かれるところですが、こちらのママさんは、「ゲームはOK、ただし必ず時間制限つきで、勉強の後に」とルールを決めていたそうです。

ゲームをやりたいため、早く勉強を終わらせる、という良い面もあった半面、やはりゲームには中毒性があります。面白そうなテレビや映画をすすめて、ゲーム以外に気をひいたりもしたり、どうしても約束を守れないときは、むりやりゲームを取り上げて電源を切ることも。

親も強硬手段をとったりと、相当な覚悟が必要のようです。

ゲームの付き合い方は、やはり難しいですね。

小学校で英語をやらせず苦手に

なかなか、英語の話が出てこないので、気になっていたら、実は、英語は二人とも大の苦手だったとのこと。

幼少期から、たくさんの習い事をしていましたが、英語はやっていなかったそうです。

英語の勉強は、ゼロからスタートすると苦手意識が生まれやすい

本書193ページ

小学校時代に英語は何もやらせていなかったのがひとつの原因だと思います。

本書193ページ

意外や意外、幼児期に英語をやっていなかったとは!

セブ島短期留学で英語のやる気アップ

そこでママさんが考えたのは、経済的にも実現可能なセブ島への短期留学(費用約30万円)。

次男は、高1の夏休みにセブ島へ3週間の短期留学をしたら、やる気が高まり英語も上達したそうです。初めはママが内緒で申し込んだそうで、行く前はイヤイヤだったのに、帰る前はもっと滞在を延ばしたかったとも。

次男はこの短期留学を機に、英語の学習態度がガラッと変わり、自分から英語の動画や洋画をみたり勉強をして、英語の試験の点数もアップ。

それを見て、長男も大学でセブ島留学に。社交性がある次男ほどのやる気アップはなかったものの、英語のネイティブと話す時に緊張しない等のメリットもあり、留学経験は決して無駄にはならないとのコメント。

私も、これには同意で、短期留学はおすすめです。

私は、自分でアルバイトで稼いだお金で、大学生の時にニューヨークへ4週間短期留学しましたが、世界の大きさを知れて、とてもいい経験になりました。

中学受験前はスケジュールをルーティン化

中学受験前2年間は、1日を平日、土曜、日・祝日でわけて、分刻み(!)でスケジュールを完全にルーティン化したそう。

タイムスケジュールをルーティン化するメリットは、「次に何をしよう?」と考える必要がなくなることです。

本書156ページ

お子さんたちは、睡眠を確保するなど健康面でもタイムスケジュールを守ることの重要性を理解して、文句もいわずに毎日やるべきことをやっていたとのこと。

まだ10歳の子どもが、分刻みで行動する・・・。2年間・・・。

す、すごい・・・。

私は、大人になった今でも、それって難しいっす。

この本で、一番すごいと思ったポイントはここですね。

このように時間だけでなく、自己のマネジメントをできるか、ここが難関受験も成功できるかの分かれ目なのかもしれません。

そのためには、子ども自身も「中学受験に目標を見出していること」も大切な気がしました。

東大受験のおすすめ参考書・問題集も

こちらの本では、他に、中学受験・大学受験に関して、塾選び、母親のサポート方法などもありました。

中学受験の塾は、電車賃も親の送り迎えも要らない、自分で自転車で行ける塾を選択したことのメリットなど、時間がない親にも参考となる視点があります。

また、実際に東大受験に役に立ったおすすめ参考書・問題集名が、科目ごと(現代文、古文、漢文、数学、物理、化学、英語)に掲載されています。数が多いのですべてご紹介するのは、難しいですが、東大受験チャレンジを検討している場合には参考になると思います。

ちなみに英語で紹介されていた英単語本では、以下のもの。

東大受験なら、これと、『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』(KADOKAWA)で英単語の勉強は十分とのこと。

離婚を周りに言うか言わないか?

子どもにとって、親の離婚を友達などに知られると、精神的に辛い部分があるかもしれません。

このママさんの場合は、家族や、学校の先生や塾長さん、離婚調停の弁護士さん、限られた友人等以外には極力言わなかったとのこと。

子どもからも「親が離婚したことを友人に知られたくない」と言われたので、その気持ちを尊重して、学校では旧姓を名乗らせました。

本書50ページ

子どもの友人にも、多くのママ友にも知らさずに過ごしたそうです。

子どもの学校行事やサッカーの試合にいつもお父さんが来ていないことも、何か聞いてくる人がいたら、「仕事が忙しいので」とだけ言って軽くスルーしていました。

本書68ページ

ここまで離婚を知られないで過ごすこともできるのか、そういうやりかたもあるんだなと感じました。

名字を変えるかなど、場合にもよりますが、「周りに離婚を伝えて状況を知ってもらう環境」の他にも、今回のように「周りには離婚を知らせずそれまでと同じように過ごす環境」も可能だと知りました。

どちらがよいかは、場合にもよりますが、事前に子どもに聞いて、望む方法をとると良いのかもしれません。

 シングルマザーとお金 

離婚後も私立に通わせ続けていましたが、経済的な面では、どのようにやりくりしていたのでしょうか?

具体的な補助金や、奨学金情報

在住していた自治体等からの以下の補助金・奨学金等を、高校生何年生からいくらもらったかが具体的に載っていました。

  • 文部科学省(高校生等奨学給付金)
  • 入学先の学校(栄光学園)
  • 神奈川県(入学支度金、就学支援金、学費軽減補助金等)
  • 川崎市(川崎市奨学金等)

こういった経済的支援により、離婚後も私立学校に通わせることができたとのこと。

離婚成立後に申請できる神奈川県の支援制度は学校からも教えてもらったとのことですが、こういった情報は、知らないと、もらえないまま終わることもあるので、自分で積極的に調べることも大切ですね。

食費や衣服代を節約

100円ローソンで食費を節約したり、たまに外食で安い定食屋や食べ放題に行ったり、服はリサイクルショップで買うなど。貯蓄をできるだけ減らさないように日常的に節約していた様子がわかります。

また、アプリ「家計簿マム」でおおまかな1カ月の収支を把握。そういった家計簿をつけると意識が高まるとのこと。

賃貸派より持ち家派。投資信託で資産運用も

このママさんのすごいところは、資産運用にも積極的なところです。

まず、賃貸ではなく、住宅ローンを組んで家を買うことを目標に、転職して正社員として3年間働いています。

そして、実際に、非常勤職員から正社員に転職して3年間勤めたタイミングで、中古マンションを購入。

マンション購入時に保険に入ることで、万が一ママさんが死亡されても、不動産はローン返済の必要がなくなり子どもたちのものにすることができます。(その後、実家近くに転居のため、800万円も高く売却!)

また、離婚で支払われた財産分与の1150万円を年利4%の投資信託で資産運用して、3年で130万円アップ!(1280万円に)

アベノミクスもあった時期(2011年から2014年)というのもよかったのかもしれませんが、投資に関して積極的な姿勢が、チャンスをつかんだいい例ですね。

貯金よりも、資産運用。

守りよりも、攻めることが、お金に関しては得すると思います。

私も、投資信託を行っている一人です。

時間がない方でも、比較的安全な運用方法を選ぶことで、利益を出すことが可能なケースが多い投資信託は、投資初心者にはおすすめですね。

まとめ

以上、シングルマザーで東大に息子さん二人を合格させたママさんの本から、参考となるポイントをご紹介しました。

ただでさえ、狭き門の東大受験に成功するためには、幼少期からの、親が与える環境も重要な要素であることが分かります。

また、学習だけではなく、心の土体づくりも大切にしていたママさんは、こう言います。

子どもは自分の分身ではなく、違う個性を持つ人間だから、思い通りにならないのは当たり前

本書20ページ

親が子どもを信じて見守っていれば、子どもも自分を信じて前に向かって歩きはじめる

本書27ページ

子どもを尊重して信じる、まずはここからですね。

学習面でも全部は難しいかもしれませんが、自分にもできそうなことは、取り入れたいと思います。